
CC0
月岡芳年Ichikawa Danjūrō IX as Kezori Kuemon
0
月岡芳年が、九代目市川團十郎の当たり役だった海賊・毛剃九右衛門を描いた作品である。毛剃は近松門左衛門の浄瑠璃「博多小女郎波枕」に登場する密貿易船の首領。「市川三升」は團十郎の俳号の一つで、題にも使われている。
物語では、毛剃は密輸を見た小町屋惣七を海に投げ込む。のちに博多で再会すると、遊女の小女郎と添わせることを条件に惣七を仲間に引き入れるが、最後は捕らえられて追放される。シカゴ美術館の解説では、この図を毛剃が船の舳先から海を見つめる劇の山場とし、描かれた夜を自然の夜景ではなく、歌舞伎の舞台の夜と読んでいる。
三枚の版画を横につないだこの作品は、「雪月花の内」の「月」に当たる。同じ明治23年(1890年)に、出版元の秋山武右衛門から「雪」も出ている。こちらは尾上梅幸が演じる岩倉の宗玄を描いたものだ。
- Work Type
- Technique
- 木版多色刷/大判三枚続
- Year Created (image)
- 1890
- Dimensions
- 37 × 74 cm
Artist profile

月岡芳年
月岡芳年(1839〜1892)は、芝居の残酷な場面を描いて「血みどろ絵師」と呼ばれた浮世絵師である。晩年には、月を題に歴史や物語を描いた「月百姿」や、「新形三十六怪撰」を手がけた。 江戸に生まれ、嘉永3年(1850年)、12歳で歌川国芳に弟子入りした。15歳で最初の挿絵と錦絵を発表する。
View full profile







