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Kagami no mae
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北野恒富北野恒富

Kagami no mae

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北野恒富の代表作《鏡の前》には、題にある鏡が描かれていない。髪に櫛を挿す芸妓はこちらを見ており、見る者が鏡の位置に立っていると読める。大正4年(1915年)の院展に出した作品である。

その鏡は、構想を練る途中で姿を消した。初めのスケッチでは、二人の女性が一つの鏡をのぞいている。やがて二人は別々の絵に分かれた。大きな下絵には、何層も紙を貼り重ねた修正の跡があり、簪をくわえて右を向いていた顔が、正面近くを見上げる顔へと変わっている。

分かれたもう一人は、赤い着物の芸妓を描いた《暖か》になった。恒富は二枚一組で「赤と黒との印象」を描こうとし、本作で黒を表した。だが人に勧められて、《暖か》は文展、本作は院展と、別々の展覧会に出した。のちに恒富は「両方とも歡迎されなかつた」と振り返っている。

Work Type
Painting
Technique
絹本着色/額
Year Created
1915
Dimensions
185.6 × 112 cm

Artist profile

北野恒富
北野恒富

北野恒富(1880〜1947年)の美人画ポスターは、増刷されるほどの人気を集めた。東京の鏑木清方、京都の上村松園と並び、大阪を代表する美人画家として知られる。明治末から大正初めには、退廃的な女性像を描き、京都の画家から「画壇の悪魔派」と呼ばれた。 金沢に生まれ、明治25年(1892年)に版下業の西田助太郎に入門した。

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