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山村耕花

山村耕花

やまむら こうかYamamura Kōka
11 Artworks

山村耕花(1885〜1942)は、日本画と新版画のあいだを軽やかに往復した画家である。尾形月耕に学び、官展で日本画家として立つ一方、大正期には版元・渡邊庄三郎の新版画運動に参加した。版画では「豊成」の号を使い分けている。

代表作は歌舞伎役者の舞台姿を捉えた梨園の華の連作である。梨園の花 十三代目守田勘弥のジャン・バルジャンでは、赤茶の巻毛に洋装の襟をつけた役者を斜めから捉え、翻訳劇まで上がるようになった大正の劇場をそのまま記録した。梨園の華 初世中村吉右衛門の曾我綉侠御所染 五條坂仲の町の星影土右衛門では逆に、灰の地に隈取の横顔だけを切り出し、中間色を置かない面の対比で気配をつくる。役者絵の伝統を近代のポスター感覚で塗り替えたこの手つきが、耕花を写楽以来の大首絵の系譜の末尾に置かせている。

題材の幅も広い。上海のダンスホールを描いた踊り(上海ニューカルトン所見)はアール・デコの色面で、洋装の婦人と細身の犬を極端に細長い画面に置いた犬を連れた洋装婦人は余白で、それぞれ同時代の新しさを掴んでいる。凝った肉筆美人画にも見どころが多い。昭和17年(1942年)没。

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