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藤田嗣治

藤田嗣治

ふじた つぐはるTsuguharu Foujita (Léonard Foujita)
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おかっぱ頭に丸眼鏡、片耳の輪、ちょび髭。1920年代のモンパルナスで、この風変わりな日本人を知らぬ者はいなかった。モディリアーニやスーティン、パスキンと酒場で肩を並べ、しかし彼らの誰にも似ていない一枚の白い肌で、藤田嗣治は異邦の画学生から画壇の寵児へと一気に駆け上がる。

1886年、東京・牛込に生まれ、東京美術学校の西洋画科で黒田清輝に学んだ。1913年に単身パリへ渡り、ほどなくして硫酸バリウムやタルクを溶き込んだ独自の地塗りにたどり着く。絹のようになめらかな乳白色――「グラン・フォン・ブラン」と呼ばれたこの下地の上を、幼い日に鍛えた面相筆が墨の細線となって滑り、輪郭だけで肉のやわらかさを描き出す。厚塗りの油彩に慣れた西洋の画家には、逆立ちしても真似のできない手つきだった。

モデルはモンパルナスの女王キキ。横たわる裸婦のまばゆい白と、そのかたわらに丸まる猫の毛並み。1921年からのサロン・ドートンヌで、その静かな対比の前に人だかりができた。

第二次大戦下では従軍画家として《アッツ島玉砕》などの戦争画を手がけ、戦後はその責めを問う声に追われるようにフランスへ戻る。1955年に帰化し、1959年、ランスの大聖堂で洗礼を受けてレオナール・フジタと名を改めた。晩年はランスに自ら壁画を描いた平和の聖母礼拝堂を遺す。1968年1月、チューリヒで没し、その礼拝堂の床下に眠っている。

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