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ロベール・ドローネー

ロベール・ドローネー

Robert Delaunay
11 Artworks

パリに生まれ、幼くして両親と別れ、伯母のもとで育った。画業の出発点は舞台美術の工房での見習い仕事だったというから、色と光の扱いを体で覚えたのは早い。後に妻となるソニア・ドローネーとの出会いが、彼の絵をさらに大胆にしていく。

最初に世を驚かせたのはエッフェル塔の連作だった。当時パリの新名所だった鉄塔を、まっすぐには描かない。斜めに傾け、輪郭を何重にもぶれさせ、周囲の建物ごと渦のように巻き込んでいく。キュビスムの分解の手法を借りながら、彼が本当に描きたかったのは形ではなく、都市そのものが放つ速度と興奮だった。

1912年前後には、その関心がさらに純化して円形の形や太陽と月、同時対比のような作品に結実する。対象を捨て、虹色の同心円だけで画面を満たし、色と色がぶつかり合う瞬間に生まれる振動そのものを主題にした。詩人ギヨーム・アポリネールはこの一群の仕事を「オルフィスム」と名づけ、キュビスムから分かれ出た独自の潮流として評価した。色彩理論家シュヴルールの同時対比の考えを、誰よりも徹底して絵に落とし込んだ画家でもある。この抽象への踏み込みは、同時代のヴァシリー・カンディンスキーらミュンヘンの表現主義者たちにも強い刺激を与えた。

第一次大戦中はスペイン、ポルトガルに逃れ、そこでも制作を続けた。晩年は再びパリで大型の壁画的仕事に取り組み、1937年のパリ万博では航空をテーマにした巨大装飾を手がけている。1941年、南仏モンペリエで癌により56歳で世を去った。ソニアとともに歩んだ画業は、絵画を対象の再現から解き放ち、色彩そのものの運動として成立させた点で、20世紀抽象絵画の重要な起点のひとつになっている。

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