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ルネ・ラリック

ルネ・ラリック

René Lalique
7 Artworks

シャンパーニュ地方の小さな町アイに生まれ、少年時代からパリで宝飾職人に弟子入りした。師のもとで学んだのは金属細工の基本にすぎないが、ロンドンのシデナム・カレッジに留学して装飾デザインの幅を広げ、帰国後はカルティエやブシュロンといった名門に図案を売り込む一介のフリーランスとして出発している。転機は舞台女優サラ・ベルナールとの出会いだった。彼女のために作った奇抜な宝飾品が評判を呼び、1890年代のパリでラリックの名は一気に知られるようになる。角製やエナメル、オパールを大胆に組み合わせ、女性の顔と昆虫の翅を融合させた《とんぼの精》の胸飾りは、当時の宝飾界の常識をひっくり返す仕事だった。宝石の値打ちより素材そのものの美しさを見せる姿勢は、ルイ・コンフォート・ティファニーらと並びアール・ヌーヴォー装身具の頂点とされる。ところが1900年代半ば、香水商フランソワ・コティから香水瓶のデザインを頼まれたことをきっかけに、関心は宝飾からガラスへと大きく移っていく。1921年、アルザス地方ヴァンジュ=シュル=モデールに自らの工房を構え、型吹きと酸処理による乳白色のガラス表現を確立、花瓶や燭台、自動車のボンネットを飾るマスコット像まで手がけた。オリエント急行の食堂車やパリの大聖堂の内装、豪華客船ノルマンディー号の照明装飾にも起用され、量産と芸術性を両立させたその仕事は、ジュエラーとしてよりもむしろアール・デコ期を代表するガラス作家として記憶されている。1945年、パリで没した。

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