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梁楷

梁楷

りょうかいLiang Kai
5 Artworks

南宋の画院待詔でありながら、その地位をあっさり捨てた男である。皇帝から下賜された金帯を画院の壁に掛けたまま姿を消し、以後は酒を愛して気ままに生きたことから「梁風子(りょうふうし)」、風変わり者と呼ばれた。師の賈師古から人物画の技を受け継ぎながら、梁楷はその筆をどんどん削ぎ落としていく。六祖截竹図や李白吟行図では、輪郭線を数本走らせただけで人物の気配がそこに立ち上がる。省略しているのに、省略した部分まで見えてしまう不思議な絵だ。潑墨仙人図に至っては、墨を叩きつけたような荒々しい筆致で仙人の酔態を写し取り、技巧を誇るための絵から、精神の一瞬を掴み取るための絵へと転換してみせた。禅林との交わりも深く、その減筆体は単なる省筆の技法ではなく、対象の本質だけを掴み出そうとする禅的な態度そのものだった。《釈迦出山図》では山を降りる釈迦の疲れた足取りと澄んだ眼差しを、装飾を排した線だけで描き分けている。中国本土では正統な画院様式からの逸脱として長らく評価が定まらなかったが、日本では話がまるで違った。禅僧や五山の文化圏を通じて作品が渡り、雪舟をはじめとする室町水墨画の担い手たちが梁楷の減筆体に強く打たれ、自らの表現の核に据えていく。今日、梁楷の代表作の多くが日本の美術館に伝わっているのは偶然ではなく、この国の絵師たちが彼の筆致をどれほど渇望したかの証しである。

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