
カミーユ・コロー
Jean-Baptiste-Camille Corot
10 Artworks
パリの裕福な服地商の息子として生まれ、店を継ぐ道もあったコローが絵筆一本で身を立てると決めたのは二十代半ば、決して早熟な画家ではない。師のミシャロン、続いてベルタンのもとで学び、1825年に念願のイタリアへ渡る。ローマ郊外の光と空気を写し取った油彩習作の数々は、後年の詩的な森の絵とは別人のように率直で、戸外制作(プレネール)の先駆けとして今なお絵画史の教科書に載る。
帰国後は画壇の評価を得るためサロン向けの神話画や宗教画も手がけたが、コローの本領はやはり故郷近郊、ヴィル=ダヴレーの池や木立を描いた風景だった。銀灰色に沈む空気、震えるような葉叢のタッチ――写実というより記憶と情感のフィルターを通した「思い出の風景(スーヴニール)」の様式を確立し、モルトフォンテーヌの思い出はその頂点をなす。晩年には点描的な筆致で女性像も数多く描いたが、これらは死後しばらく忘れられ、20世紀に入って再評価された経緯がある。
生涯独身を通し、金銭に恬淡だったコローは、困窮する若い画家たちの隠れた庇護者でもあった。ミレーの家族に生活費を送り、盲目になったドーミエに家を買い与えるなど、その気前の良さは同業者のあいだで語り草になっている。バルビゾン派の画家たちと親しく交わりながらも一線を画す独自の詩情を保ち、モネやピサロ、ベルト・モリゾら次世代の印象派たちが直接教えを乞うたことからも、その存在の大きさがうかがえる。パリで没するまで、絵筆を置くことはなかった。
Own a work by Jean-Baptiste-Camille Corot?
List it for sale on Cugira.
10 works














