
イサム・ノグチ
Isamu Noguchi
0 Artworks
ロサンゼルスで生まれ、日本人詩人の父と米国人作家の母のあいだに育った子どもは、二つの国のどちらにも完全には属せないまま生きることになる。幼少期を茅ヶ崎で過ごし、十三歳で単身アメリカへ送られたイサム・ノグチにとって、彫刻とは自分の居場所を石や紙や土のなかに探し当てる作業だったのかもしれない。医学を志して哥倫比亜大学に入るが早々に見切りをつけ、彫刻に転じてパリへ渡る。そこでコンスタンティン・ブランクーシの助手となり、無駄をそぎ落とした形態への感覚を叩き込まれた。この経験が生涯の彫刻観の芯になっている。三十年代には北京で斉白石に水墨を学び、京都では陶芸の窯場に通うなど、東洋の技法を貪欲に吸収した。太平洋戦争が始まると、日系人として強制収容されずに済む立場でありながら、あえてアリゾナのポストン収容所に自ら志願して入所し、収容者の生活環境改善に取り組んだ。この選択は彼の複雑な帰属意識をよく物語っている。戦後は活動の幅をいっそう広げ、彫刻はもちろん、ハーマンミラー社のために手がけたノグチテーブル、和紙と竹でつくる照明《あかり》、マーサ・グラハム舞踏団の舞台美術、さらにはニューヨークの《レッドキューブ》や庭園設計まで、ジャンルの垣根を軽々と越えていった。カリフォルニア州コスタメサの《カリフォルニア・シナリオ》やパリのユネスコ本部庭園は、彫刻と造園を一体のものとして構想した仕事の到達点といえる。晩年はニューヨークのロングアイランドシティに自らの美術館を設え、そこに集めた作品群は今も静かな石庭のような佇まいを保っている。
Own a work by Isamu Noguchi?
List it for sale on Cugira.
No artworks found
